長崎とお茶
長崎は地理的な利点によって、古くから海外との交流が活発でした。そのため、お茶の伝来や輸出も早い段階で始まりました。
1191年、栄西禅師が2回目の中国渡航を終えて上陸し、滞在したとされる「冨春庵」という場所があります。この地には、栄西が茶を植えたとされる記念の茶畑があり、「日本最初の茶畑」として知られています。
1609年長崎県平戸に「平戸オランダ商館」が設置されました。 当時のオランダ東インド会社によって、平戸から輸出された品物の中には、日本の緑茶も含まれており、それが初めてヨーロッパに渡った緑茶とされています。
1856年頃、長崎の商人・大浦慶は、イギリス人からの注文を受け、九州各地で集めたお茶をアメリカに輸出しました。これが、日本での本格的な製茶輸出貿易の始まりとなりました。